元・育休パパが子育て支援とか考えつつ日々を記すblog

児童福祉施設の相談員として子育て支援・家庭支援に携わるようになったものの、第一子誕生を機に、自分自身の子育て・家庭が疎かになることへの危機感を抱き、子育てしつつ足元を見つめ直す必要を感じ、一年間+αの育児休業を取得 ⇒ 周囲の多大なる協力もあり、無事に育児休業を終えて職場復帰 ⇒ 3年後の第二子誕生時にも2か月の育休 ⇒ 時短勤務継続中。そんな人が第一子育児休業開始時から書き始めて、その後も不定期だったりまとめて書いたりしながらボチボチ続けているブログです。

リスキリング、できたらいいよね

 

リスキリング(Re-skilling)とは、その名称のとおり、

スキル・技能を再習得する」こと。

 

これまでも、いろんな理由で経済界にはそれなりに流布していた言葉であるらしい。

・企業のデジタル化を進める取り組み(DX:デジタルトランスフォーメーション)

 が世の中に浸透してきた

新型コロナウイルスの流行による働き方の変化

・国内外でリスキリングに関する宣言が叫ばれるようになった

 ※ 参考:「【2分でわかる】リスキリングとは? 人材育成への導入時5ステップも解説」

    (https://www.recurrent.jp/articles/what-is-reskilling

    「経済産業省が重要視する「リスキリング」とは?注目される理由とメリットを紹介

    (https://tameni.mynavi.jp/reskilling/6726/

 

こんな言葉が、最近のニュースを席巻することになったのは、

2023年1月27日の参院代表質問の岸田首相の答弁。

「政府としては、人への投資の支援パッケージを5年で1兆円に拡大し、リスキリングへの支援を抜本的に強化していく中で、育児中などさまざまな状況にあっても主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押しして参ります」。

 

この答弁について、大手メディアが報道し、炎上案件となった。

mainichi.jp

news.tv-asahi.co.jp

 

 

発言を擁護するつもりでもないが、正確には、自民党の大家議員が岸田首相に、

企業が産休・育休中の在職者に行っているリスキリング支援を

国としてもサポートするよう提案されたことを受けて答弁であるし、

「育児中などさまざまな状況」と言っているので、育休中に限定していない。

www.j-cast.com

 

しかし政府としては釈明に追われることになった。

news.tv-asahi.co.jp

 

まぁ発言を切り取って報道するメディアにもまた思うところはあるが、

そもそもの発端が大家議員であろうと、これで、

育休中にまともに勉強できる時間なんてねーよ!!という

育児の大変さや、的確な支援の必要性が再びクローズアップされたことは、

重要な意義があると考えている。

 

 

 

・・・・とはいえ、かくいう私も、偶然ながら、

育休中にリスキリングを行った張本人だったりする。

childcare-support.hatenablog.jp

 

リスキリングを前提に育休を取ったわけではなかったし、

週1回の仕事と勉強時間以外は、授乳以外のすべての家事育児を、

かなりハイレベルに行い、妻の満足度も大きく犠牲にしなかった自負がある。

 

妻に当時のことを聞いてもらっても構わない。

(・・どうやって聞いてもらうかはさておき)

 

 

いずれにせよ、自分の働き方を見つめなおす意味でも、

当時のリスキリングは、今の自分の糧になっている。

 

・・自分にとって、これは疑いようのない真実。

そんな自分だからこそ、この炎上案件についていろいろと思うことはある。

 

 

ただ、この案件を紐解くと、より本質的なのは、

日本の労働の在り方自体を問い直すこと、だと考える。

 

一定期間、仕事を離れるとキャリアアップできないのは、

キャリアアップの手段が「ずっと仕事をし続けること」に偏っているから。

 

だからこそ、育休中を前提にせず、いつだってリスキリングできる制度を、

企業も国も応援したほうが良い。

 

ずっと同じ人が仕事をし続けると、どうしても仕事が属人的になり、

その人がいないと回らない(ように感じられる)ので、

一人の人が仕事を抱えて、余計に長時間労働になりがち。

 

あとは育休や病休なども含めて、急にその人がいなくなると

仕事を振られた周りの人が、その大変さのあまり

仕事から離れた人にネガティブな感情を持ってしまったりする。

 

短期的にはそれでなんとか日々が回ったとしても、

どうしても中長期的には組織的にガタが来る。

 

どんな仕事でも、少し離れて見つめなおしたり、外から眺めることで、

また違った視点やアイディアが生まれることがある。

 

 

理想論かもしれないが、仕事に適度に余白を設けたり、

柔軟に行うことを良しとすることは、日本にこそ必要だと思う。

 

 

 

企業だけでなく国がリスキリングを応援する必要性は、他にもある。

 

・・・日本は、男性よりも女性、そして高年齢の女性ほど、非正規労働率が高い。

男女共同参画白書 令和3年版」によると、非正規労働の割合は、

男性平均が22.4%なのに対して、女性平均は54.4%。

 

子育て中である女性が他の年齢層より多いと考えられる、

25-34歳の平均が49.6%、35-44歳の平均が56.6%と、やはり高い。

 

(出典:I-2-7図 年齢階級別非正規雇用労働者の割合の推移 | 内閣府男女共同参画局

 

 

・・・日本は戦後、女性は専業主婦として家事育児を担ってもらっていたし、

国としてもその方がメリットがある制度設計をしていた。

 

でも今は、女性にも働き手になってほしいのなら、

そのほうがメリットのある制度設計を国はする必要がある。

 

仮に企業がリスキリング制度を充実させたとしても、多くは

正規労働者である女性のみにその恩恵が行く。

 

ただ正規労働者の女性にも、先輩にそういった人がそもそも少ないので風当りが強い。

育児とのバランスを考えて非正規労働に移らざるを得ない女性も多くいるだろう。

 

というか、そういった選択が、以前はもっと多かったからこその結果だと思う。

 

今の日本は「シルバーデモクラシー」なんて揶揄されたりするが

「メンズデモクラシー」的になっていた制度設計そのものを見直す必要がある。

 

 

リスキリングは、男女問わず、国のいう働き方改革に重要なこと、のはず。

いつでもリスキリング、学び直しができる風土が日本を席巻してほしい。