1月23日、今年4月1日に発足予定の「こども家庭庁」のロゴマークが発表された。
そこには温かみのあるオレンジ色で、
「こどもまんなか こども家庭庁」
と書かれている。
小倉担当相がその後、「こどもまんなか」社会に向けた方針などを
記者会見で語っていた。
まぁある意味で、それだけのニュースと言えばそれだけなんだけど、
こども家庭庁は、「こども庁」の名称となる予定だったのに、
土壇場で「家庭」がついたという経緯あるため、なんだか
「こどもまんなか」とロゴ―マークに入れて念押ししてる感というか
ちゃんとそのつもりですよーとアピールしている感を少し持ってしまった。
・・・こども家庭庁は、2021年2月から続く「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会」という政治家有志の勉強会に端を欲する。
(ページでは「こども庁」となっていることにある種の気概を感じるの私だけだろうか)
そこで、もとは”子ども家庭庁(仮称)”の創設に向けてとしていたがが、同年3月9日の第6回勉強会にて、虐待サバイバーの風間暁氏が「家庭は地獄でした」と自身の経験の語りとともに「家庭」を名称からとるべきと主張した。
それ以来、同勉強会では、“こども庁”に名称変更して提言を行っていた。
当事者の意見が適切に反映された結果といえる。
それが同年12月15日、急に(このテーマに関心をもつイチ国民としてからすると急に)、自民党の会合で名称を“こども家庭庁”とする修正案が示された。
そして1週間もたたないうちに、そのまま政府は “こども家庭庁”の創設を含む子ども政策の基本方針を12月21日に閣議決定した。
そこには、自民党内の保守派などの働きかけがあったという情報や、
本当のところはさておき、
当事者の声がなぜ・どこにいったのか、とどうしても考えてしまう。
その後も、当事者を中心に、名称をこども庁に戻すよう訴える動きは続いている。
子ども家庭庁から「家庭」を取るべきと主張した風間さんは、
名称変更についてその後、ABEMA Primeで以下のように主張している。
子どもと家庭が利益相反する場合も少なくない。
家庭支援では救えない子どもたちにも目を向けるため、子ども個々人を尊重し、社会で守り育てるという理念が「こども庁」の名称には込められていたはず。
家庭にこそ苦しめられた子どもも、家庭がない子どもも、家庭が大好きで大事に思う子どもも,みんな真ん中。
虐待のある家庭の状況は、権力を持つ親の一存で変わる。黒と言えば黒、白と言えば白。説明や対話もない。
私の声も存在も、家庭ではなかったことにされ続けた。
今の状況も、権力を持つ一部の人だちの声で、あったはずの声をなかったことにされた結果だ。
家庭内で行われていた虐待の構造と、よく似ている。
子どもの発達は、周囲の大人のありように大いに左右される。
子どもも、家庭も、さまざまなありようをもつ。
・・・ある意味で、こども庁に、「家庭」を付け加えた以上、
こども家庭庁は、子どもだけでなく、世の中の多様な家庭も
一体的に関わるという重責を担うことになったともいえる。
「こどもまんなか」として、子どもファーストであることは揺るがないのだから、
そのバランスをとる難しさもセットにして。
是非ロゴマーク通り、“こども まんなか”にした上で、
適切に運営されてほしいと、切に願う。