元・育休パパが子育て支援とか考えつつ日々を記すblog

児童福祉施設の相談員として子育て支援・家庭支援に携わるようになったものの、第一子誕生を機に、自分自身の子育て・家庭が疎かになることへの危機感を抱き、子育てしつつ足元を見つめ直す必要を感じ、一年間+αの育児休業を取得 ⇒ 周囲の多大なる協力もあり、無事に育児休業を終えて職場復帰 ⇒ 3年後の第二子誕生時にも2か月の育休 ⇒ 時短勤務継続中。そんな人が第一子育児休業開始時から書き始めて、その後も不定期だったりまとめて書いたりしながらボチボチ続けているブログです。

睡眠不足と子育て

ふと子育てと睡眠について考えてみたくなったので覚書をまとめておく。

 

30万部超のベストセラーとなった、「スタンフォード式 最高の睡眠」。
職場の先輩に紹介されて、数年前に読んだのを、最近読み直した。

 

この本では、睡眠の重要性や、良い睡眠について、量・質それぞれで重要となるポイントが、科学的な根拠もふまえ、わかりやすく記載されている。

 

著者の西野精治先生は、あちこちでインタビューに答えているので、ネットをしらべるだけでも情報は少なからず拾える。
例えば

sangyoui-navi.jp

foneslife.com

www.flierinc.com

・・などなど。

 

それらで紹介されているように、睡眠時間の国際比較を行うデータでは、

日本はワースト1だといわれ、「睡眠負債」との状態にある様子。

 

ちなみに、子どもの睡眠時間も世界で最も短く、

年齢的に望ましいとされる睡眠時間ほど1~2時間ほど短い傾向にあることや、

親に睡眠負債があるほど子どもにも睡眠負債がある割合が大きいことも、

すでに報告されている。

brain-sleep.com

こういった情報に触れると、睡眠が大事だというのはみんな分かっているにせよ、私含めて、実際どれだけ大事にできているのか、と考えてしまう。

 

 

何より、睡眠負債は、身体、認知、感情などへの悪影響が、かなり大きい

 

身体面では、上記書籍でも紹介されているように、さまざまな身体疾患(糖尿病、心筋梗塞脳梗塞、高血圧など)のリスク上昇、免疫力の低下、自律神経・ホルモンバランスの乱れ、体重増加、疲労の蓄積などなど、枚挙にいとまがない。

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

www.philips.co.jp

 

認知面では、記憶力・判断力・集中力などほぼすべての認知機能が低下する。

その低下レベルについて具体例をあげると、24時間睡眠をとらなかったトラック運転手の判断力はアルコール血中濃度0.1%と同水準になるので、つまりは酔っ払い運転で捕まるレベル(日本では0.03%以上が酒気帯び運転)。

そんなに徹夜はしない・・という方に伝えたいのは、6時間睡眠を1~2週間続けると、24時間寝ていないのと同じレベルまで集中力や注意力は低下するということ。

techblitz.com

日本人全体として、睡眠時間が短い傾向にあることを考えると、相当の数の日本人が、酔っぱらいながら日常を過ごしているイメージでしょうかね。

 


あと感情面。睡眠不足が続くと、感情が不安定になり、不安・抑うつ、そして攻撃性が増強するようだ。

www.nhk.or.jp

scienceportal.jst.go.jp

newswitch.jp


ポジティブな感情も感じにくくなるらしい。

www.nibiohn.go.jp

 

 ・・・「身体」の健康が損なわれ、「認知」能力が低水準になり、「感情」も不安定になる睡眠負債


親がそのような状態では、生活を営むこと自体がままならなくなったり、冷静でしっかりとした判断・思考ができなかったり、気持ちが落ち着かず子どもについ過度に怒ってしまったり、というのは、ある意味で必然。

 

逆に、子育て中の親の悩み事の大半は、その負荷に見合った十分な量・質の睡眠をとることで解決するかもしれない・・・というように考えるのは、決して突飛な発想ではないと思えてくる。

 

 

・・・5月になると、インターネット界隈でちょっとしたブームになる動画を思い出す。

www.youtube.com

 

これは、少なくとも日本では、美談のまま終わらせてはいけないと思う。

 

日本人の親御さんは、子育てにおいて心身を削りすぎている。

 

子育て支援の文脈においても、親の「睡眠」を真っ先に優先できるマインドセットやシステムが整ってほしい。

 

多くのママ・パパがより良い「睡眠」を自然と選択できる世の中になっていってほしい。

 

改めて整理してみて、そのように強く、願っています。