元・育休パパが子育て支援とか考えつつ日々を記すblog

児童福祉施設の相談員として子育て支援・家庭支援に携わるようになったものの、第一子誕生を機に、自分自身の子育て・家庭が疎かになることへの危機感を抱き、子育てしつつ足元を見つめ直す必要を感じ、一年間+αの育児休業を取得 ⇒ 周囲の多大なる協力もあり、無事に育児休業を終えて職場復帰 ⇒ 3年後の第二子誕生時にも2か月の育休 ⇒ 時短勤務継続中。そんな人が第一子育児休業開始時から書き始めて、その後も不定期だったりまとめて書いたりしながらボチボチ続けているブログです。

「となりのトトロ」を見て、「子育て支援の在り方」を思いついた

 

 

・・・・タイトルだけ見たら、見事に訳が分からない。

ので、ちゃんと解説します。

 

 

 

自分が生業としている(と勝手に思っている!?)

子育て支援」の在り方というか目標って何だろうな、と

普段から何となく考えていたことと、

最近金曜ロードショーで再放送されていた

となりのトトロ」の中で描かれているテーマ

自分の中で重なったので、メモしておくことにしたんです。

 

結論として、子育て支援の在り方・目標とは、

家庭の中で「やるべきこと」を減らし、「やりたいこと」を増やす

ことだと思います。

 

以下、そのように思うに至った思考の軌跡。

 

 

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世代を超えて愛される名作

スタジオジブリとなりのトトロ」。

 

f:id:you-n77:20200822080640p:plain (画像はAmazonから)


ちなみに息子氏も、妻が実家から持ってきていた

「となりのトトロ」のアニメ絵本に結構はまり、

そこそこ読み終えるの時間がかかるのに、

朝の時間がない中に読んで欲しがったりして

朝からひと悶着がしばしばだったりする。

(ちなみに息子氏が絵本を読んで欲しがるのは妻に集中しており、

 ひと悶着の相手も妻に集中してしまっている。お疲れ様です)

 

気づけば我が家の2020年カレンダーにも「となりのトトロ」

選出されていたりもする。

f:id:you-n77:20200822081211p:plain (画像はAmazonから)

 

そんな我が家になじみが深い「となりのトトロ」だが、

 息子氏はまだ映画版を見る機会を逸していたので、

最近、金曜ロードショーで再放送されたのを録画した。

 

「トトロ!!」と興奮しっぱなしの息子氏を微笑ましく見ている一方で、

職業柄、お姉ちゃんのサツキが、まだ小学生なのに、

お母さんに代わっていつも妹のメイの世話や家事に

翻弄されているのが気にかかった。

 

いわゆるヤングケアラー(young carer)である。

 

ただ、そんなサツキとメイが「トトロ」に会い、

二人がワクワクドキドキ楽しい時間を一緒に提供した。

 

それは、いつも親役割を担わざるを得ないサツキが、

心から子どもに戻れる貴重な時間だった。

 

 

 

もちろん「となりのトトロ」のテーマはそれ以外にもあるだろうが、

私がそういったテーマを感じ取ったものとして、

とりあえず話を子育て支援に戻す。

 

 

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日本の子育て環境は、決して恵まれてはいない。

 

子どもの子育てが核家族の家庭中心で行われるようになり、

地域で子どもが自由に遊べる環境も限られ、

バスや電車で泣く子どもがいると、親が肩身の狭い思いをする。

そんな子育て「文化」が日本にはある。

 

そして「制度」においても 

保育園に入るためにも保活が必要で、

待機児童の問題もあり、うまくいかない。

 

高校や大学にまでいかせるのも家庭で負担する費用は大きく、

多くの親は共働きをせざるを得ないが、働き方改革もなかなか浸透せず、

長時間労働がまかり通りやすい。

 

未就学児を子育て中の家庭で、テレワークなんて無理ゲーの極みです。

 

そんな中で、親は、限りある資源の中で四苦八苦しながら、

時間と「やるべきこと」に追われて何とか生活している。

 

 

自分のキャパシティ以上に「やるべきこと」に追われていると、

人間、余裕をなくし、イライラし、荒んでいく、

というのは自然の摂理だと思う。

 

そんな中で「楽しく笑顔で、愛情いっぱいに子育て」なんて無理。

 

ただ子どもにとって、そんな子育て環境が大切なのも事実。

 

となると、子育て支援の在り方としては、まず、

家庭の中で「やるべきこと」を減らすこと。

 

その弊害となるのは、「子育ては~であるべき」とか

「親は~じゃないといけない」みたいな、

根拠がよくわからない「べき志向」。

 

もちろん子育てにおいて外せない事柄というのはいろいろあるだろうが、

ちゃんと根拠をもとに、子どもに必要なのはどういうことか、

問い直していく必要がある。

 

そして、子どもに必要なのが、

ある程度、栄養バランスが取れた食事やら、整理整頓された住環境だとする。

 

それも、親が全てをする必要はない。

宅食やら家事代行のサービスを使ったり、

ルンバやらブラーバやら、食洗機やら乾燥機能付き洗濯機やら、

何だって使えるものは使ったらいい。

 

そして親が「やるべきこと」を減らすことで得た貴重な時間は、

親が子どもと一緒に楽しめる時間や、

親自身が自分の人生を充実させるための時間など、

親が 「楽しめること」「やりたいこと」を増やすことに

充てられるようであってほしい。

 

その結果、子どもの前で、親が笑える/穏やかに過ごせる時間が増える。 

 

となりのトトロでサツキは、メイの世話を率先してやっているが、

自分も友だちと遊びたい思いもある、病気の母の体調が心配になることもある。

 

実際にサツキがメイを怒鳴りつける場面もいくつかあるが、

それはサツキのせいだろうか?

サツキは、日々頑張っている。そういう時だってある。

 

子どもと大人では意味が違う!みたいな反論もあるかもしれないが、

子どもと大人なんて、大人の都合で便宜上分けられているだけで、

人間としての違いや本質の差なんて、大してない。

 

 

この環境下で、「やるべきこと」に追われるのは仕方ないが、

可能な限り、それを減らす努力を本人も周りもして、

最終的に本人が「やりたいこと」「楽しめること」ができる時間が増えてほしい。

 

そのことが子育てにおいても良い効果を生むはずであり、

それが子育て支援の在り方、目標となる。

 

 

・・・こんな思考に至れる「となりのトトロ」は、やはり名作だ。