元・育休パパが子育て支援とか考えつつ日々を記すblog

児童福祉施設の相談員として子育て支援・家庭支援に携わるようになったものの、第一子誕生を機に、自分自身の子育て・家庭が疎かになることへの危機感を抱き、子育てしつつ足元を見つめ直す必要を感じ、一年間+αの育児休業を取得 ⇒ 周囲の多大なる協力もあり、無事に育児休業を終えて職場復帰 ⇒ 3年後の第二子誕生時にも2か月の育休 ⇒ 時短勤務継続中。そんな人が第一子育児休業開始時から書き始めて、その後も不定期だったりまとめて書いたりしながらボチボチ続けているブログです。

自分にとっての、育児休業

 

自分にとって、本当に大切なものは何だろうか。大切にしたいものは何だろうか。

 

・・・妻の妊娠が発覚し、出産予定日が徐々に迫ってくる中、その答えを考え続け、その結果、自分は育児休業を取ることにした、ということは以前にも書いたことがある。

 

ただ、育児休業を取ったパパたちへのアンケートをまとめた記事を見て、育児休業取得後、の今の自分の育休に対する思いについて整理したくなり、これを機にまとめることにしました。

 

ちなみに上記のアンケート記事では、育児休業について、

(1)取得理由、

(2)不安の有無(およびその理由)、

(3)メリット・デメリット、

(4)その他思うこと、

を、育児休業を取得したパパさんに尋ねたものをまとめている。

それらについて自分にあてはめて考えてみたところ、色々とある回答の中でも、自分が共感する程度の“濃淡”はやはり、あるなぁと思った。

 

ということで、その回答それぞれもふまえながら、つらつらと、まとめてみます。

 長くなったら、ごめんなさい。

 

(1)取得理由

 アンケート結果で一定数あった、2~3人目だったり双子ちゃんだったため、という取得理由は、もちろん今回の自分にはない。

次の子どもに恵まれるかどうかはわからんけど、恵まれたらやはり考えると思う。

 

「我が子の成長を身近で見たかった」「子どもとたくさん関わりたかった」というのも結構強い。

 

ただ、一番そうかも、と思ったのは「妻に育児を押しつけたくなかった。自分も育児に携わりたかった」かな。

 

子どもが生まれるということは、自分のライフステージが変わることでもある、と思う。

 概ね体制を変えずにそのままやっていける家庭もあるかもしれないが、自分の場合、このままではやっていけない、と感じた。

 

これまで、目の前の仕事にその都度、精いっぱい励んできたつもりではあるが、これからは、限られた時間・体力を何に使うか、自分の優先順位をより明確にしておく必要がある。強くそう感じた。

 

 あと育児の大変さは(頭では)わかっているつもりだったし、正直、不安は強かった。

 なんとかなる、って一切、思えなかった。

そしてその不安をすべて妻に押し付けてまで、今の仕事を行いたいか、というと、今の自分にとっては、そうではない、と考えるに至った。

 

・・・ただこの点については、もともとの自分の仕事の仕方やスタンスの問題、という側面も大いにあると思うので、育児休業期間中に考え直してみたい。

 

(2)不安の有無(およびその理由)

 不安は、あった。

 

・・ただ給与・収入面では、育児休業給付金が夫婦ともに支給されることなどから、あまり心配していなかった。ここは共働きだからこそ。

さらに言えば、この点は、自分自身が制度を調べつくして大丈夫だと思えた、という面もあるが、そもそも、日本で制度が作られていた、ということに感謝。

 

それ以上に、アンケート結果でも多かった、職場からの風当りや、業務からの長期離脱による影響、居場所がなくなるリスク、などの不安が強かった。

言ってしまえば、今の生活に“育児”が加わる不安のほうが、さらにそれ以上に強かっただけ。

 

アンケートの回答の中で、不安ではなかった理由として「職場(上司)の理解。あと、育児そのものが不安で、育休を取ったらどうなるかまで考える余裕がなかった」というものがあったが、結構わかる。

ここまで思い切った決断に至ったことを振り返って、どこまで適切に不安が感じられていたのか、という疑問を、自分自身に向けたりする。

 

・・・ただ仕事や職場への影響という点について、自分は本当にラッキーではあった、と思う。

  

上司に最初に育児休業を取りたい思いを話したとき、そして取得が決まってから同僚に話をしていったとき、もちろん驚きはされたし、内心は忸怩たる思いもあったかもしれないが、基本的に応援してもらえた。

それが素直に、ありがたかった。

 

自分の職場はそれほど大規模ではないということも、プラスに働いたように思う。

施設長や総務のトップ、果ては法人の理事の方とも、比較的関わりを持ちやすい体制であり、お互い名前と顔が一致して、話をしやすい環境であった。

特に、相談時点では就業規則が男性の育児取得を想定しておらず未対応であった点も、速やかに改善してくれたのは、大きかったと思うし、ありがたかった。

 

あと上司にも相談時に言われたことだが、話すタイミングも結果的によかったようだ。

息子氏は1月30日が予定日であり、秋ごろに意を決して上司に相談しに行った。ちょうど来年度の体制を考え始める時期でもあったので、ちょうどよかったようだ。

同じくらい余裕を持って相談したとしても、例えば予定日が夏~秋ごろで、年度末や年度初めに相談に行っていたら、体制や制度を見直すことが、正直より手間になったのだろうと思う。

まぁ本来、相談・申請するタイミングどうこうで育児休業の取得が左右されるものではないのかもしれないが、やはり人間、初めてのケースに対応するのは不安感や負担感を一定もつものでもあるだと思うし、しっかり対応しようと思えば、準備時間が必要になる。

この点については、育児休業取得が男女ともにもっと当たり前になっていけばよりスムーズになるのかもしれないし、ここまで考える必要もないのかもしれない。

ただとりあえず今回の自分にとっては少なくとも、息子氏の予定日はコントロールできるものではなかったし、結果的に、ラッキーだったと思う。

 

今は社会的にも、そして自分の職場的にも、育児休業制度自体、過渡期にある。

自分の不安が大いなる源泉となった面はあるが、結果としてチャレンジングな育児休業取得となった。

その幸運を感謝の気持ちに代えて、実際に活かせるようにしていきたい、と改めて思った。

  

(3)メリット・デメリット

 色々な不安の中でスタートした自身の育児休業であるが、メリットはとてつもなく大きいと思う。メリットに関するアンケート結果でも、回答が本当に充実していて(「我が子の成長を間近で見られる」「家族と接する時間を確保できる」「妻が安心できる」「妻と育児のチームになれる」など)、それぞれに深く同意する。

何より、家庭にとってメリットが大きい。

 

あと、「育児の大変さを実感できる」「時間の使い方への意識があがる」「家事育児の訓練が出来て、仕事に復帰後も両立できる能力をもてる」というのも、特に自分の仕事をする上では、大いに役立つと、本当に思う。

 仕事を代わりにできる人はいても、家庭はかけがえのないものである、という当たり前のことを実感する。

 

 

一方、デメリット(悪い点、微妙な点、改善すべき点)については、アンケート結果では、収入面や、職場や社会で未浸透であったり、制度自体がなかったり、認知・理解度が低かったりすること、とういうものが多い。 

 

収入面について、育児休業給付金は、一時期よりも増額はされたものの、生後6か月までで元の収入の2/3、それ以降は1/2、ということになっている。

自分は多少収入が減っても大丈夫だと決意したが、この点から足踏みをしている人も少なくないと思う。

給付金を元の収入と同じかそれ以上くらいの額にしたら、出生率育児休業取得率にも影響が大きいと思うけどなぁ。

 

ちなみに知り合いの人は、自身の機関が行っている研修会で、託児を利用して参加する人の研修費用を半額にする、というサービスを設けていた。素晴らしいと思う。

メリットがデメリットを上回らないと、人間、前には進みにくい。

 

あと個人的に注目しているのは、「1日でも取得したら育児休業取得にカウントされている」という事実。「最低取得期間を決めても良いのでは?最低3ヶ月以上とか」という意見もあった。

 

・・・新生児~乳児の育児は、本当に体力仕事。

ただ少なくとも産褥期(母親の体が出産前の元の状態に回復するまでの期間。産後6~8週間とされる)は、医学的にも危険なわけで、体力が低下している母親が体力仕事をするという、そもそもが無理ゲーの状態については、手厚めの支援が、絶対に必要だと思う。

 

だから少なくとも産後2~3ヶ月、母親以上に動ける第三者が育児をともにする体制を整えることは、至極自然なことだと思う。

逆に、ゼロよりかは幾分かましだとしても、数日とか1週間だけ休んで「育児休業を取得した!/させた!」と胸張って言える人や企業は、育児のリスクをかなり浅く見積もっていると思ってしまう。

  

(4)その他思うこと

 上記デメリットの個所で述べたこととも大いに関係する意見として、

・「男性の取得率の低さ、期間の短さを憂慮しています」

・「育児の大変さは長期間、毎日体験しなければ分からないと思う」

・「育休を取得した男性のほとんどが1週間やそこらしか取得していないそうだが、そんな短期間で何が分かるのか、何の役に立つのか疑問だ。最低でも1ヶ月は強制的に育休を取らせるような仕組みがあれば、男性も大変さが身にしみて育児に対して寛容な社会になっていくのではないかと思う」

・「1ヶ月程度(産褥期)は男性も義務でいいと思います。出産後女性任せにしてしまえば、男性は生活を変えなくてもなんとかなっている。それは女性の犠牲の上になりっている構造で、もう1人子供欲しがるわけないですよね。男性は育児休暇中に、家庭の仕事を習得して、家事育児参画の障壁を下げれば少子化対策にもなるのではないか」

 あたりがあるが、それぞれ、本当にそうだと思う。

 

この世に生きている人はみな、男性・女性問わず、とてつもない労力のもとに育ってきている。

当たり前のようで、当たり前ではないことだけど、私も含めて、みんな覚えていない。

 

育児休業取得について、「まだまだ当たり前という雰囲気ではなく、育休を取るには覚悟と勇気がいると思う」というのも事実。

 

ただ「夫婦の時間や子どもと向き合う時間をしっかり取れるので全力で取得をオススメしたいです。収入面やキャリア面での不安などはあるものの、それを補ってあまりある経験が得られます。というか新生児育児ワンオペはただの無理ゲーだと実感しました」という実感は、私も本当に強い。

 

産褥期に少なくとも1か月、できれば数か月以上の男性の育児休業取得は、次世代の日本を変える、と言っても過言ではないと思う。

 

 

・・・想像通り、今回の記事はかなり長くなった。

 

最後まで読んでくれた人がいたら、ありがとうございます。

そしてあなたの育児休業への理解がわずかでも進んだら、嬉しいです。