元・育休パパが子育て支援とか考えつつ日々を記すblog

児童福祉施設の相談員として子育て支援・家庭支援に携わるようになったものの、第一子誕生を機に、自分自身の子育て・家庭が疎かになることへの危機感を抱き、子育てしつつ足元を見つめ直す必要を感じ、一年間+αの育児休業を取得 ⇒ 周囲の多大なる協力もあり、無事に育児休業を終えて職場復帰 ⇒ 3年後の第二子誕生時にも2か月の育休 ⇒ 時短勤務継続中。そんな人が第一子育児休業開始時から書き始めて、その後も不定期だったりまとめて書いたりしながらボチボチ続けているブログです。

虐待は、断罪したら終わりではない。

 

この1週間ほど、どうしても放っておけないニュースが世間をにぎわせている。

 

12月4日、 静岡県裾野市の「さくら保育園」で、

園児への暴行容疑で30代の保育士3人が逮捕された。

www.nhk.or.jp

 

 

保育士たちがとった虐待行動が、しつけのつもりだと言えてしまう状況。

それらの行動が容認・放置されてしまう集団力動。

それでもお別れが嫌だという園児たちの気持ち。

 

想像するほど、気持ちが揺さぶられる。

 

 

 

 

元保育士たちが行った行為は、絶対にいけないこと。

 

 

ただ、その元保育士や保育園を断罪して終わる問題でも、絶対にない。

 

 

 

自分自身も児童福祉施設に勤めていて、

給与に見合わない忙しさと人手不足により、

ぎりぎりの状態でケアを行う保育士さんをよく見てきた。

 

構造的に問題があるのは、火を見るより明らかである。

 

特に配置基準が低すぎる問題は、すでにあちこちで議論になっている。

www.nhk.or.jp

 

積み重なった疲労や余裕のなさは、人から冷静な判断力を奪う。

 

すると、おかしなことをおかしいと気づけなくなる。言えなくなる。

 

 

これは、家庭内でも十分に生じうること。

 

だから、ワンオペ育児が当たり前になってはいけないし、

子育て支援・家庭支援の拡充は、今後の日本に絶対に必要。

 

 

 

あと、そういった余裕のなさに加えて、

複数人の大人がいる保育園では、社会心理学でいうところの

【傍観者効果】も生じていたと思う。

(参考:傍観者効果 - Wikipedia

 

 

 

・・・学校でのいじめにも、傍観者効果が生じるとされる。

 

おかしなことをおかしいと言えることはとても大事だが、

いじめの告発をイメージするとわかるように、

それにはとても勇気がいることでもある。

 

おかしいことはおかしい、いけないことをいけないと

直接言えるような関係や、言い方の工夫。

言っても関係が壊れないと感じられるような土壌・雰囲気・風土。

言われる側の受け入れる余裕の醸成。

 

 

傍観者効果の防止は

多層的に取り組む必要があるし、

それらは一朝一夕では培われない。

 

ちなみに、フィンランドで行われているいじめ対策プログラム『Kiva』は、

傍観者への働けを重点的にしたプログラムで、有効性が認められている。

 参考:フィンランドの教育改革・中 いじめを「傍観」させない(読売新聞オンライン)

 

 

さらにいえば、これらは最初から出来て当たり前ではない。

 

こういった知識のアップデートや第三者の介入など、

風通しのよさのようなものも必要かもしれない。

 

何より継続的な教育の機会が必要だが、保育士さんは忙しすぎて

学ぶ時間や体力もなかなか確保しにくい。

 

 

・・・親でも保育士でも、国の将来を担う子どもを育てる人たちが、

誇りと自信、専門性、そして余裕を持てるように。

 

 

そのために自分に何ができるか、さらに考えを深めていきたいと思う。